アーティスト紹介

水や土や植物たちに囲まれた自分の店を、いつか持てればと思います。

窮屈な社会の枠やルールにとらわれることなく、伸び伸びと自分らしい生き方を貫く、あづましほさん。イラストを描いたり、ガラスや陶器の作品を作ったり、子供たちと壁画を描いたり、その活動もじつに多彩。あたたかく、柔らかな空気を持った、素敵な女性です。

●アーチスト あづま しほさん

学校で得た一番大きなものは、すてきな仲間に出逢えたことです

●●あづまさんのこれまでの経歴を簡単に教えてください
あづましほ:高校を卒業後、もともと動物が好きでトリマーの専門学校に入りました。犬の美容と雑貨店を兼ねたようなお店を開きたいと思ってたんです。卒業してトリマーの資格を取得したんですが、そのままトリマーとして就職することには、なんとなく抵抗がありました。子供の頃から大好きだった絵を、思い切り描きたいって思い始めたんです。それで東京デザイナー学院(現・名古屋デザイナー学院)に入学しようと決めました。

●●なるほど。ジャンルの違う専門学校に入ってみて学校生活はどんな感じでしたか?
あづま:たまたまなのかもしれませんが、同級生にやたらと個性的な人が多くて、学校はすごく楽しい場所でした。毎日が刺激的というか。とにかく学校に入って一番よかったと思うのは、素敵な仲間に出逢えたことですね。いまだにつきあいのある同級生はたくさんいますし、毎年1回、15、6人の仲間とキャンプに行くのも恒例になっています。

●●先生から受けた影響や、とくに印象に残ることはありますか?
あづま:入学して早い時期から、何となく私の個性を見抜かれたというか、結構好きなように動ける場をもらえた気がします。例えばコンペ出したらとか、このイベントに参加してみたらとかいうことだけ教えてもらって、あとは自分で考えてなんとかするように仕向けられた感じです。でも、それがありがたかったんですね。
自分から動くことの大切さみたいなものを、理屈じゃないところで教わった気がします。就職に関しても「しほは無理に自分をどこかで当てにはめなくても、伸び伸びとやりたいことをすればいいよ」と言われてました。

●●卒業後はどうされたんですか?
あづま:どうせ働くなら、大好きな雑貨に囲まれてたいと思って、いろんな雑貨店を回って「いいなあ」と思う店で「アルバイトで使ってもらえませんか」と直接交渉しました。一番いいと思った店は断られたんですけど、結構大きなチェーンの別の店で働かせてもらえることになりました。その店では1年ぐらい働きました。3人のスタッフですべてを回さなくちゃいけなくて、とにかく毎日大忙しで、仕入れや商品のディスプレイ、手書きPOPの制作、もちろん接客も。でも毎日楽しくて仕方なかったですね。私は食器担当だったんですが、全国にある系列の中で、私がいた店の売り上げが上位になったんです。そういう目に見える結果も、すごく励みになりましたし、やりがいも感じました。ディスプレイを工夫してみたり、POPを作ったりするのも好きなんですが、自分が接客も大好きなんだということが、そこでの仕事を経験してすごく自覚できました。やっぱり人が好きってことなんでしょうね。

●●その後は?
あづま:自分の作りたい作品を作りながら、職場は何度か変わったんですが、いまも接客のアルバイトは続けています。

壁画

壁画

壁画

昨年、一昨年と、2年続けて名古屋港近くの防潮堤に、子供たちとともに壁画を描いた。「子供たちから、たくさん元気をもらった」とあづまさん。
雑貨店のオーナーになる夢が現実のものになったら、そこで「子供のためのお絵描き教室」を開きたいのさそう。

 

 

子供たちと壁画を描いて、たくさんのエネルギーをもらいました

●●作家としてのあづまさんの活動を教えてください。
あづま:作家といえるとうな活動はたいしてしていないんですが、一昨年と昨年の2回、在学中に知り合った非常勤の先生から話をいただいて、名古屋港の近くの防潮壁の壁画を西築地小学校の5、6年生の子供たちと一緒に描きました。私がおもに下絵の部分を担当して、子供たちと一緒に色塗りもやりました。2回とも真冬の作業で結構きつかったんですが、子供たちとわいわいしながらの仕事は本当に楽しいものでした。彼らとエネルギーを交換して、どんどん元気になっていく気がしました。
あと、昨年、初めての個展を知り合いの雑貨店で開きました。自分のありのままをそのまま見てほしいという意味で「まんま展」というタイトルで。手描きのTシャツやトートバッグ、ガラスの陶器の作品を展示しました。その個展を見てくれたある雑貨店のオーナーから話をいただいて、私のイラストを使ったトートバッグが商品化されて全国のお店で販売されました。

●●自分の描いたイラストが商品になってお店で売られるのは、うれしいですよね。
あづま:そうですね。うれしいんですが、やっぱり手に取るお客様とのその場でのやりとりがあれば、より楽しいし、うれしくもあります。

●●あづまさんのこれからの目標、あるいは夢みたいなものは何ですか?
あづま:ゆくゆくは自分のオリジナル商品を売る店を持ちたいと思います。そのための資金も、少しずつですが貯金しています。店もできれば少し田舎の方で、自然がたくさんあるような場所がいいですね。水や土や月や植物といった自然に囲まれて創作活動を続けながら、自分らしく、のんびり暮らしていければいいなあと思います。

まんま展

昨年「まんま展」というタイトルの個展を開いた。学生時代の仲間や先生、バイト先の雑貨店の関係者もたくさん訪れてくれた。この個展から新しい仕事も発生した。


プロフィール

あづましほ
1979年5月13日名古屋市港区生まれ。
高校卒業後、トリマーの専門学校を経て、東京デザイナー学院名古屋校(現・名古屋デザイナー学院)卒業後、アルバイトをしながら、イラストレーション、Tシャツやバッグのデザイン、ガラスの陶器やオブジェ制作など、ジャンルにとらわれない創作活動を続け、グループ展やイベントで発表。
商品化されたものも多数。昨年5月には雑貨店「Cache」にて個展「まんま展」を開催。


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